「会社設立って、だれに代行してもらったらいいの…」
「実際には、どれくらいの費用がかかってくるのかしら…」
POINT
- 「株式会社」より「合同会社」の方が費用がお得になる
- どの士業にも依頼できるが、「税理士」が特におすすめ
- 「顧問税理士」を付ければ、会社の業務に専念できる
ただ、間違った手続きをしてしまうと違法となり、多額の罰則金を課せられる場合も…
税務署では分からない、会社設立の真実に迫っていくことにします。

目次
会社を設立するなら「株式会社」?「合同会社」?

会社の形で最も多いのが「株式会社」。
日本の会社の40%は株式会社が占めています。
株式を発行して資金を集められる会社。
最終的な決定権は株主総会にあります。
もう一つの形が「持分会社」。
持分会社には
- 合資会社
- 合名会社
- 合同会社
の3つがありますが、最近は増加傾向にあるのが「合同会社」。
ただ「合同会社」は、2006年に新しく設けられた法人の形なので知名度がまだまだ低いのが現状です。
出資者と経営者が分離していない会社。
経営者は必ず出資者でなくてはいけません。
「株式会社」と「合同会社」のメリット・デメリット
「株式会社」と「合同会社」の主な違いは次の通り。
横にスクロールできます。
法人の形 | メリット | デメリット |
株式会社 |
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|
合同会社 |
|
|
「税金(法人税や消費税)」や「社会保険」については、どちらも同じで有利不利はありません。
POINT
- 会社を大きくしていきたいなら「株式会社」
- 個人事業主が節税を狙うなら「合同会社」
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自分(本人)で会社を設立する時の費用

会社設立の費用で見ると、「合同会社」の方が少ない予算でつくることができるようになっています。
項目 | 株式会社 | 合同会社 |
1 定款認証 | 5万円 | なし |
2 収入印紙 | 4万円 | 4万円 |
3 謄本手数料 | 約2000円 | 約2000円 |
4 登録免許税 | 最低15万円 (資本金の0.7%) |
最低6万円 (資本金の0.7%) |
合計 | 24万2000円 | 10万2000円 |
それぞれ費用の詳しい内容は次の通りです。
1 定款認証の手数料
定款(ていかん)とは「会社の規則などを定めたルール」のこと。
会社を設立するには、作成した定款を公証人役場で認めてもらうための手数料を払う必要があります。
ただ、定款認証の手数料は
- 株式会社:必要(5万円)
- 合同会社:必要なし
と、会社の形によって違いがあります。
持分会社(合同・合資・合名会社)は、「定款認証手続き」自体が必要ありません。
2 収入印紙代
定款には収入印紙を貼る必要があり、印紙代は「4万円」。
ただ、データでつくられた「電子定款」にすると印紙代が不要(「0円」)になり、お金がかかりません。
電子定款をつくるのは大変
お得に思える「電子定款」ですが、
- ソフト(Adobe Acrobatなど)
- 住基カード
- 電子証明書
- 専用のICカードリーダー
などの機材が必要になってくるので、自分で行うのはかなり難しいのが現実です。
3 謄本交付手数料
「謄本交付手数料」は、会社の登記事項証明書(登記簿謄本)を発行するのに必要な手数料のこと。
1通当たり250円かかるので、だいたい2000円ほどになるのが通常です。
4 登録免許税
「登録免許税」は、会社の登記(登録)について課せられる税金のこと。
登録免許税は「会社の資本金」によって金額が違い、最低でも15万円はかかります(株式会社の場合)。
資本金 | 登録免許税 |
2143万円未満 | 15万円 |
2143万円以上 | 資本金×0.7% |
もし、資本金3000万円の会社を設立するなら、
3000万円×0.7%=21万円
が必要になってきます。
どちらの会社を作るにしても手続きは複雑。知識や資格もなく手続きするのはトラブルの元です。
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会社設立の代行に必要な資格(士業)は?

会社設立に関係する士業は3つあり、それぞれに「できること」・「できないこと」が法律で決められています。
横にスクロールできます
士業 | 依頼料 | できること | できないこと(違法) |
司法書士 | 10~20万円 | 登記手続き | 認可手続き 税務 |
行政書士 | 10万円 | 認可手続き | 登記手続き 税務 |
税理士 | 3~5万円 | 税務 | 登記手続き 認可手続き |
許認可が必要なら「行政書士」
会社設立に必要な許認可取得の代行をしてくれるのが「行政書士」。
- 建築業
- 運送業
- 飲食業
など許認可が必要な業種なら、行政書士に依頼すると会社設立がスムーズに。
ただ、登記手続きはできないので、実際には「司法書士」とタッグを組むことになります。
商業登記だけなら「司法書士」
法人設立登記の代理申請をできるのは「司法書士」だけ。
会社設立のみを頼むであれば「司法書士」で十分ですが、設立後にはノータッチになる点には注意が必要です。
税務が心配なら「税理士」
税務関係の届出・提出を代行してくれるのが「税理士」。
ただ、税理士は登記手続きができないので、実際には「司法書士」とタッグを組むことに。
会社設立後の税務にも「税理士」は必要になってくるので、早めに探しておくのが安心です。
大きな企業なら「公認会計士」
公認会計士も、税理士と同じように「他の士業」と提携して会社設立の手続きを代行してくれます。
「公認会計士」自身が登記手続きをすることはできません。
ちなみに、「税理士」と「公認会計士」の違いは次の通り。
- 税理士:税務関係の手続き
- 公認会計士:会計指導や債務に関する監査
企業規模が大きくなれば「公認会計士」の存在が必要ですが、小さな会社であれば必要性は薄いと言えます。
代行サービスは「社労士」も可能
会社設立を「社労士(社会保険労務士)」に依頼する人は少ないですが、可能ではあります。
会社を設立した場合、
- 社会保険
- 厚生年金
- 雇用保険
なども手続きも必要になるので、同時にお願いできるメリットも。
また、社労士は助成金の申請に強いのも特徴です。
誰に頼むのも大きく変わらない
多くの士業は他の専門家と提携しているので、誰に依頼しても大きく変わりません。
どこか一か所に依頼すれば、全部の手続きを代行してくれます。
ただ、会社設立後も関りが深いのは「税理士」。
会社設立時から税理士に依頼して、関係を深めておくことが大切です。
なかには他の士業と提携していない税理士もいるので、「どこまでサポートしてもらえるか」の確認は大切です。
POINT
誰に依頼しても大きな違いはなし。ただ、会社設立後のことを考えれば「税理士」がおススメです。
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会社設立の依頼に弁護士は必要?違法?

弁護士も「法人設立登記の代理申請」をすることはできません。
ただ、弁護士も「他の士業」と提携しているので、すべての手続きを代行することは可能です。
法務に悩むなら弁護士事務所がおススメ
次のような悩みを抱えている方は、弁護士への依頼するのが安心です。
- 法的なリスクがないか確認したい
- 法律的紛争に発展する可能性がある
- 知的財産権など、契約書を作成しなければならない
- 従業員への対応、株主総会への対策が必要
ただ、弁護士への依頼料は10万円前後が相場。
弁護士用費用を定める法律や規則は存在しません。
税理士にお願いするよりも費用が高くなるので、必要性をよく考えて弁護士に依頼してください。
「会社設立」と「法務上の問題」は切り分けて考えることが大切です。

会社設立を「顧問税理士」に相談するメリット

多くの仕業が会社設立をサポートできますが、実際には「顧問税理士」という形でお願いする人がほとんど。
「顧問税理士」をつけるメリットは次の3つです。
- 本業に専念することができる
- 節税のアドバイスを受けられる
- 資金繰りの相談できる
1 本業に専念することができる
顧問税理士を付ける1番のメリットは、面倒な経営業務から離れられること。
具体的には次のような業務から解放されます。
- 税務申告書の作成・提出(決算書や確定申告書など)
- 会計帳簿の記帳(伝票や領収書など)
- 従業員の給与計算・年末調整
「顧問税理士」を付けないと、書類の不備やミスがある度に何回でもやり直しをする事態に…。
税金でトラブルが起きた時の対処も、全て自分で背負わなくてはいけなくなります。
税務に関することは税理士の独占業務。他の士業に依頼することはできません。
2 節税のアドバイスを受けられる
会社の売り上げが増えるほど、納税額も上がっていくことに。
ただ、税制を上手く活用すれば、支払う税金を驚くほど減らすことが可能です。
ただ、税金対策は自己申告によるモノ。
節税テクニックを知らなければ、ムダな税金を払い続けることに…。
税理士は「助成金」や「補助金」の申請もサポートしてくれるので、思った以上に会社にお金が残るようになります。
3 資金繰りの相談できる
金融機関から資金を調達する際には、「決算書」など様々な書類が必要。
「顧問税理士」に頼めばすぐに書類が準備できるので、資金調達もしやすくなります。
また、「決算書」は会社の経営を判断する大切な指標。
税理士に相談することで、会社経営の改善点まで明らかになっていきます。
「顧問税理士」は、あなたの会社経営を支える大切なパートナーです。
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法人成り(法人化)の税務に関するQ&A

会社設立で特に注意して欲しい点は次の7つです。
- 最短のスケジュール期間は?
- 会社設立はいつがいい?
- 設立費用の経費の仕訳は?
- 設立費用は資本金で立替できる?
- 顧問契約は必要なし?
- 「freee」などの会計ソフトでも会社設立できる?
- 顧問税理士の報酬相場は?
1 最短のスケジュール期間は?
会社設立までの大まかな流れは次の通り。
- 基本事項の決定
- 定款作成・認証
- 資本金の払込み
- 登記書類作成
- 登記申請
- 登記後の各種行政などへの手続き
効率的に書類作成が進んだとしても、2~3週間ほどは会社設立にかかるモノ。
余裕をもって設立の準備に取りかかることが大切です。
2 会社設立はいつがいい?
会社の設立日は、「法務局に会社の設立登記を申請した日」と決まっています。
郵便で書類を送付した場合は「法務局に書類が到着した日」。
土・日・祝日は法務局が休みで、登記申請はできません。
設立日と決算日は離す
資本金が1000万円未満の会社の場合、
- 設立1期目
- 設立2期目
の消費税が免除されることに。
「設立日」と「決算日」をできるだけ離した方が、免税効果が大きくなりお得です。
会社の決算日は、会社設立日から1年を超えない範囲で自由に決められます。
3 設立費用の経費の仕訳は?
会社設立時にかかる費用は、法人の経費に反映させることが可能。
設立の費用は「創立費」とし経理処理するのが一般的です。
4 設立費用は資本金で立替できる?
会社を作るには、個人名義の口座にお金を振り込んで、資本金の証明を取る必要があります。
ただ、通帳のコピーさえ取ればいいので、設立費用を資本金で立て替えても問題ありません。
5 顧問契約は必要なし?
「顧問契約なし」でも、会社設立の代行をしてもらうことは可能です。
ただ現実には、設立代行だけをお願いすることはまずありません。
会社を設立する段階で「顧問税理士」を見つけ、会社設立の代行をしてもらうケースがほとんどです。
6 「freee」などの会計ソフトでも会社設立できる?
「freee」などの会計ソフトでも、会社設立は不可能ではありません。
ただ、法人化すると決算書の作成や申告が一気に難しくなることに…。
かなりの知識がないと、会計ソフトだけではほとんど役に立たないが現実です。
7 顧問税理士の報酬相場は?
税理士の顧問料は、会社の年商によって違ってきます。
年商 | 月額顧問料 |
~1000万円 | 1~3万円 |
1000~3000万円 | 2~3万円 |
3000~5000万円 | 2~4万円 |
5000~1億円 | 3~5万円 |
1~5億円 | 4~7万円 |
顧問料も会社の経費にできるので、実質的な負担は思った以上に少なくなっています。
健全な会社運営には「顧問税理士」の存在が欠かせません。
【まとめ】スタートアップの設立代行サービスも税理士へ

税理士による会社設立代行についてまとめます。
POINT
- 「株式会社」より「合同会社」の方が費用がお得になる
- どの士業にも依頼できるが、「税理士」が特におすすめ
- 「顧問税理士」を付ければ、会社の業務に専念できる
ただ、税理士にも得意・不得意な分野があるのが現実。
経験豊富なのはもちろん、相談しやすい税理士を選ぶことが何より大切です。
会社設立に強い税理士を選ぶ方法

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参考文献

