「地鎮祭の費用って、どれくらい必要になるの…」
「初穂料を渡すタイミングって、いつ頃がいいのかしら…」
地鎮祭は神事なので、費用が分かりにくいのが現実。
しかも、お金を渡すタイミングを間違えてしまい、トラブルに巻き込まれることも…。
地鎮祭の費用について、あなたに伝えたいことは3つ。
POINT
- 地鎮祭に必要な費用は10万円ほど、格安でレンタルもできる
- 初穂料を渡すタイミングは、地鎮祭が始まる前
- 地鎮祭のお金は「建物取得価額」に含まれ、消費税もかからない
建築会社が教えてくれない、「地鎮祭費用」について迫っていくことにします。

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地鎮祭で自分で準備するモノの費用相場は10万円

地鎮祭で行う場合は、主に次の6つを用意するのが一般的です。
用意するモノ | 費用 |
お供え物セット | 5000円 |
初穂料 | 35000円ほど |
お車代 | 1万円 |
工務店へのお祝い・お礼 | 1人3000円ほど |
参加者への食事 | 1食2000円ほど |
挨拶回りでの粗品・手土産 | 1つ500円 |
服装 | - |
挨拶 | - |
1 お供え物セットの費用「5000円」
神様へのお供え物は、施主が用意するのが古くからの慣習。
具体的には、次の7つのモノを準備します。
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お供え物 | 中身 |
お酒 | 清酒(一升)に祝儀用の「のし紙」をつける |
お米 | 洗米したお米を一合ほど |
塩 | 塩を一合、土地の清めにも使います |
海の幸 | 尾頭付きの鯛+乾物(昆布・スルメなど) |
山の幸 | 季節の果物(キノコ類でもOK) |
野の幸(野菜) | 地面の上にできるモノ(トマトなど) 地面の下にできるモノ(大根など) |
水 | 水一合(180㏄)ほどをキレイな容器に入れる |
お供え物を揃えるのにかかる費用は5000円~1万円ほどです。
最近は、ハウスメーカーや神主の方でお供え物を準備することが多くなっています。
関連 【地鎮祭のお供え物セットは7つ】魚や乾物はその後どうするの?
2 初穂料・のし袋の費用「35000円」
初穂料は「神様にお供えするお金」のことで、神職への謝礼金の意味合いも。
初穂料の相場は2万円~5万円ほど。
お金を渡す時は、「のし袋(お祝儀袋)」に入れて渡すのがマナーです。
- のし袋の表面には「初穂料」と「氏名」を書く
- 連盟にする場合は3名まで
- 中袋の表面には「入れた金額」、裏面には「住所」と「氏名」
関連 【地鎮祭のし袋ガイド】ご祝儀用封筒の書き方は?中袋なしはOK?
3 お車代の費用「1万円」
神職が自分の車で現地に来られる場合は、交通費として「お車代」を渡すことに。
お車代の相場は5000円~1万円。
ただ、「お供え物」を神職に用意してもらっているなら合わせて2万ほど渡すのが一般的です。
お車代は「初穂料」とは別に渡すがマナー。祝儀袋ではなく、「白封筒」に包むのが通例です。
関連 【地鎮祭のお金マナー】初穂料を渡すタイミングや両家へのお車代は?
4 参加者のお祝い・お礼の費用「3000円/1人」
地鎮祭では、住宅メーカーの担当者も参列します。
ただ、参加者も地鎮祭で安全を祈願する立場なので、本来はお礼を渡す必要はありません。
どうしてもお礼を渡したい場合は、参加者の立場によって金額を分けるのが基本。
一般的な相場は次の通りです。
- 大工の棟梁:5千~1万円
- 現場責任者:5千~1万円
- その他の大工:3千~5千円
5 参加者への食事費用「2000円/1食」
地鎮祭後には「直会」を開くのが本来の流れ。
神事の最後に、お供え物をおろし参加者でいただく行事。
お供え物を飲食することで、神様との結びつきを強くする意味もあります。
直会では、1食2000円ほどの仕出し弁当やオードブルを頼むのが一般的です。
個人宅での地鎮祭は簡略化しているので、「直会」を開くことはほとんどありません。
6 挨拶回りでの粗品・手土産の費用「500円/1軒」
地鎮祭後は、施工業者とご近所への挨拶回りをするのが通例。
「粗品」は施工業者が用意するのが一般的ですが、施工業者と別で挨拶回りをする場合は自分で「手土産」を用意することに。
粗品の相場は1つ500円~1000円ほどで、タオルなどの消耗品が人気です。
関連 【地鎮祭の挨拶回りガイド】言葉やご近所さんへの粗品も徹底解説
7 服装の費用は必要なし
個人宅の地鎮祭の場合、施主(あなた)の家族のみで行うことがほとんど。
地鎮祭自体も略式化されたモノなので、カジュアルな服装で問題ありません。
関連 【地鎮祭の服装マナー】春夏秋冬の女性のおすすめは?自宅と会社の違いもチェック
8 挨拶の準備も必要もなし
個人宅での地鎮祭の場合、神主さんが取り仕切って進行するのが一般的。
施主が挨拶をするケースはほとんどありません。
「参加者へのお礼」や「食事」まで合わせれば、10万円もの費用が必要になります。

地鎮祭で払う「工務店・ハウスメーカー」の費用

工務店やハウスメーカー・神主が用意するモノは大きく2つです。
- 祭壇周り、式典用祭具
- テント・イス
1 祭壇周り、式典用祭具の費用「3万円」
地鎮祭を設営・運営するために必要なモノは、施工業者(神主)が用意するのが一般的です。
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祭壇 | 神様を祀り、お供え物を捧げる壇のこと |
榊(さかき)5本 | 祭壇の左右に立てたり、玉串として使います |
升・湯呑 | 地鎮祭の最後にお神酒を参列者で頂く時に使います 紙コップで代用することも可能 |
半紙 | お供え物下に置きます 半紙1帖(20枚)ほどが必要です |
青竹・注連縄(しめ縄) | 土地の四方を竹で囲い、注連縄を張り、神様をお迎えする聖域であることを示します |
盛り砂(砂山) | 土地に見立て砂を高く盛り上げたもの バケツ3杯ほどの砂が必要です |
鎌・鍬(くわ)・鋤(すき) | 刈初・穿初の用具として使います |
鎮め物 | 基礎工事の時に埋め、工事の安全を祈念します |
セットでレンタルできます
祭壇回りの品や、式典用具は自分で用意する場合も。
最近はセットや単品でレンタルできるようになっていて、費用相場は1万~5万円ほどになっています。
2 テント・イスの費用「3万円」
地鎮祭は屋外で行われるので、雨天の場合はテントを張ることになります。
- 地面がぬかるむ場合はブルーシートを敷く
- 大規模になると、テント回りを紅白幕で覆う
などをすることも。
レンタル費用としては3万円前後が相場となっています。
POINT
誰が・何を用意するのかの決まりはありません。事前に確認しておくことが大切です。
関連 【地鎮祭の準備ガイド】榊を用意するのは自分?ハウスメーカー?

【地鎮祭の費用の渡し方】何と言って渡すのがマナー?

初穂料は祭壇に奉納するケースがほとんど。
神職が会場に到着した時に、

本日はよろしくお願いいたします。
こちらが初穂料になりますので、どうぞお供えくださいませ。
と言って渡すのがスマート。
初穂料は神様へのお供え物なので、「謝礼です」や「お礼です」は間違いです。
地域によって渡すタイミングは違うので、事前に神主さんに確認しておくことが大切です。
関連 【地鎮祭の初穂料ガイド】封筒の書き方や金額の相場を徹底解説
「袱紗(ふくさ)」に包んで渡すのがマナー
日本では古くから、贈答品を素手で直接渡すことは非礼とされています。
個人宅で行われる地鎮祭は略式化されたモノですが、基本的には「袱紗(ふくさ)」に包んで渡すのがマナー。
袱紗(ふくさ)の色としては
- 「お祝い事」にふさわしい暖色系
- 「お祝い事」と「お悔やみ事」の両方に使える紫色
を選ぶのがおすすめです。
お車代のタイミングは「地鎮祭後」
「お車代」は神職へのお礼。

本日はありがとうございました。
「お車代」を用意していますので、どうぞお受け取りください。
というように、地鎮祭が終わってからお礼の言葉と一緒に渡すのがマナーです。
参加者へのお礼も地鎮祭後に渡す
もし、棟梁や大工、住宅メーカーの担当者にお礼を渡すなら

本日はありがとうございました。
これから工事等でお世話になりますので、どうぞよろしくお願いします。
と言って、地鎮祭後に渡すのがスマートです。
一人ひとりに渡すのが大変であれば、まとめて棟梁に渡してもかまいません。
POINT
「初穂料」や「お祝い」を渡す時は、簡単なお礼を述べて渡すのがマナーです。

地鎮祭の費用は取得価額に含む?仕訳は?

地鎮祭は建設の過程で必要な儀式なので、建物取得価額に含めるのがルール。
- お供え物
- 食事会(直会)
にかかった費用も、儀式に必要なモノなので「建物取得価額」に含まれます。
上棟式・起工式も、同じように建物取得価額に含むのがルールです。
また、勘定科目は「建設仮勘定」に設定するのが一般的です。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
建設仮勘定 | ○○○○ | 現金 | ○○○○ |
取引先の地鎮祭に参加した場合の費用は「接待交際費」になります。
地鎮祭の費用は交際費になりません
地鎮祭の費用は、基本的に交際費に含めることができません。
国税庁の判断は次の通り。
事業に直接関係のない者に対して金銭、物品等の贈与をした場合において、それが寄附金であるか交際費等であるかは個々の実態により判定すべきであるが、金銭でした贈与は原則として寄附金とするものとし、次のようなものは交際費等に含まれないものとする。(平6年課法2-5「三十一」により改正)
(1) 社会事業団体、政治団体に対する拠金
(2) 神社の祭礼等の寄贈金
ただ、
- 社員の交通費
- 記念品
など、一般的に地鎮祭の内容に含まれない費用は「交際費」に含めることに。
簡単にまとめると次のようになります。
地鎮祭の費用 | 〇 建物取得価額 × 交際費 |
食事会(直会)の費用 | 〇 建物取得価額 × 交際費 |
宴会費 交通費 記念品代 |
× 建物取得価額 〇 交際費 |
初穂料に消費税はかかりません
地鎮祭で
- 初穂料(玉串料)
- お供え物
など、神社やお寺に支払うお金は「宗教活動に伴う実質的な喜捨金」と認識されるので、消費税はかかりません。
お布施、戒名料、玉串料等の葬儀、法要等に伴う収入は、宗教活動に伴う実質的な喜捨金と認識されているものですから、課税の対象とはなりません。
地鎮祭の費用は「建物取得価額」に含むのがルール。仕訳は「建設仮勘定」にするのが一般的です。
【まとめ】地鎮祭では流れや時間帯にも注意が必要

地鎮祭の準備についてまとめます。
POINT
- 地鎮祭に必要な費用は10万円ほど、格安でレンタルもできる
- 初穂料を渡すタイミングは、地鎮祭が始まる前
- 地鎮祭のお金は「建物取得価額」に含まれ、消費税もかからない
最近では、住宅メーカーや神主が準備してくれることが増え、以前より用意が楽に。
後は、地鎮祭を行う日程を調整し、事前に打ち合わせをすることが何より大切です。