「“緑のデザイン”って、どんな内容の本になっているの…」
「中古や電子書籍って、どこで買うのがお得なのかしら…」
快適で心地いい家を建てたい方に人気なのが「緑のデザイン」
私も「緑のデザイン」を熟読したおかげで、理想のマイホームを建てること成功しています。
「緑のデザイン」について、あなたに伝えたいことは3つ。
POINT
- 写真やイラストが豊富なので、見ているだけで庭づくりのイメージが掴める
- 計画から完成までの工程まで載っているので、実際の庭づくりにそのまま活かせる
- 建築と外構の関係性が分かるので、さらに心地よい空間づくりが可能になる
ただ、実際に本を読んだ方の声を聞くと、「役に立たない」なんて気になる口コミも‥‥。
書店員が教えない、「緑のデザイン」の真実に迫っていくことにします。
クリックできる目次
「緑のデザイン 住まいと引き立てあう設計手法」とは
奥行き・境界・体験を際立たせる24の庭を徹底解説したのが「緑のデザイン」。
- 緑の構図や木洩れ日で人をもてなす豊かな動線とシークエンス
- 下草や低木で馴染ませるまち並みとの接点
- 香りや味わい、音や足触りで愉しませる暮らしのシーン
など、場の価値を引き出す庭づくりの設計アプローチと実践技術を豊富に収録。
美しい庭の写真や手書き図面がオールカラーで載っているので、庭づくりの自在なバリエーションを吸収することが可能です。
著書「園三」氏のプロフィール
出典:houzz
緑のデザインの著者は、株式会社園三代表取締役の「園三(本名:田畑了・たばたさとる)」氏。
1975年、岐阜市生まれ。
京都芸術短期大学(現京都芸術大学)ランドスケープデザインコース専攻科修了後、岐阜の造園会社に就職。
2005年、現事務所を設立。
イタリア・コモで行われる国際ガーデンショーOrticolario2016にて金賞を含む3賞を同時受賞しています。
- 京都芸術大学通信教育部ランドスケープデザインコース非常勤講師
- 武庫川女子大学建築学科・大学院非常勤講師
「緑のデザイン」の基本情報
書籍名 | 緑のデザイン 住まいと引き立てあう設計手法 |
著者 | 園三 |
出版社 | 学芸出版社 |
発売日 | 2020年9月19日 |
本の長さ | 192ページ |
電子書籍 | × |
「緑のデザイン」の口コミを大公開
実際に「緑のデザイン」を読んだ方の声を聞くと、良い口コミと悪い口コミの両方が…。
両方の口コミを包み隠さず明らかにしていきます。
魅力的な住まいじゃないと意味がない(悪い口コミ)
建物と庭の関係が語られていて、家づくりの当初から外構を考えることの重要性が分かります。
逆に言うと、これだけの緑を活かそうとしたら、それに見合った住宅を建てないと意味がないかも。
私のように普通の家を建てようと思っている人には、過ぎた内容になっている気がします。
写真が多いから見応えあり(良い口コミ)
多くの写真が掲載されていて、素敵な庭の雰囲気が伝わってくるので、見応えのある本。
図面や手書きのスケッチもたくさん掲載されているので、全体像がよく分かります。
新築だけでなく、リノベーションの庭などたくさんの事例が載っているので、いろんな場面で参考になると思いますよ。
インスタで有名な園三さんの本(良い口コミ)
インスタでフォローしていた園三さんが本を出版すると聞いて、さっそく購入しました。
写真がたくさん掲載されているから、実際にお庭を見せてもらっているような感覚になります。
デザインセンスのない私でも楽しめる一冊で、見ているだけで夢が広がりますよ!
打ち合わせにも使えます(良い口コミ)
実際の事例を元に細かく丁寧に解説されているので、「どうすれば緑豊かな空間ができるか」がよく分かります。
業者にこの本を見せながら打ち合わせすれば、出来上がりのイメージが共有できるから、失敗しない庭づくりができると思いますよ!
庭づくりのすべてが分かる(良い口コミ)
完成した庭ばかりでなく、庭ができるまでの工程が最初から最後まで載っているのが他の本との大きな違い。
植栽選定や木の植え方まで細かく載っているから、実際に庭づくりに活かせるポイントがたくさん。
特に参考になったのが「石の使い方」。
石の置き方1つでこんなにイメージが変わってくるなんてびっくり。
今までたくさんの本を読んできましたが、最も刺激を受けた一冊になっています。
POINT
- 写真やイラストが豊富なので、見ているだけで庭づくりのイメージが掴める
- 計画から完成までの工程まで載っているので、実際の庭づくりにそのまま活かせる
「緑のデザイン(園三)」はインスタグラムも評判
著者である“園三”氏はインスタグラムでも情報発信を行っていて、多くのフォロワーを抱える人気アカウントになっています。
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「緑のデザイン」の内容を試し読み
「緑のデザイン」では、2つの章に分けて住宅設計の秘密が公開されています。
第1部 | 建物と引き立てあう緑の設計 |
第2部 | 中間領域 |
【第1部】建物と引き立てあう緑の設計
① 傾斜地に立体的な散策体験をつくる
市街地にある閑静な住宅街に建つ週末住宅。
東側に隣接する緑地公園の森を望める環境にあります。
敷地全体が急な傾斜地になっているので、
- 1階のファザードの庭・主庭
- 2階へと進む露地の庭・内側のテラス露地
- 3階のリビング・ダイニングから望む庭
など多くの庭を設け、公園の森の木々を楽しむことができる。
② 平屋に聞く見え隠れのシークエンス
閑静な住宅街の角地に位置する木造の平屋建ての住宅。
道路に面してファザードにゆったりと庭が設けられ、3か所に中庭が配された住宅に。
アプローチは石材を使用して、高低差のある景色を作成。
建物内には、
- 玄関の中庭
- バスコート
- コの字に囲まれた大きな中庭
があり、複数の部屋から眺めることができます。
③ 1本の木を選び抜く“疎”の景
1980年代に開発された地区に建つ3人家族が住むRC造の2階建て住宅で、
- 白い壁が印象的なファサードの庭
- 玄関ホールの庭
- リビング・ダイニング・キッチンから眺める中庭
がある。
外に向けた窓は一切ない内に開くプランニングを活かし、庭も一面の白い壁に映えるシンプルなものを心がけています。
④ 小さな木立で誘う切妻屋根へのアプローチ
美しいケヤキの並木道に面する木造2階建の住宅。
間口が狭く奥行のある敷地に、切り妻屋根の家型フォルムが印象的な住宅です。
- ファサードの庭
- リビング・キッチン・ダイニングの3方向から眺められる中庭
- お風呂に小さなバスコート
があり、各部屋の間口から鮮やかな緑が目に飛び込む風景を魅せるように計画した。
⑤ 野趣あふれる軒と枝の取り合い
落ち着いた生活を望む夫婦のための家。
ファサードとアプローチ・中庭をもつ現代の数寄屋建築としての趣を留意し、作庭を計画することに。
プライバシーを守る壁に縦格子の開口部が設けられ、向かって左側の門を開けると玄関へのアプローチが現れます。
⑥ 石と鉄で修景する段差と動線
鴨川沿いの閑静な住宅にあるアーティストの住宅棟ギャラリー。
河岸にサクラやエノキの大木の並木があり、住宅が面する通りも緑豊かな環境に。
- ファサードの庭
- アプローチの庭
- 主庭
- バスコート
をもち、庭の各所では様々な用途(土留め・飛び石・修景など)で石を用いています。
⑦ 木々のレイヤーで奥行を増幅させる
閑静な住宅街にあるRC造2階建の二世帯住宅。
白い矩形のボリュームが水平に伸び、車庫・中庭塀・住宅という3つの層が重なって多彩な奥行きが生まれている。
- 駐車場のあるファサードの庭
- 居住空間から見える中庭
- 裏庭
の3つの庭から構成され、どっしりとしたRC造を植栽の柔らかな印象が引き立てるように意識しています。
⑧ 景色の断片を散りばめて暮らしを彩る
3人家族が暮らす木造2階建。
- 交通量の多い前面道路とバッファーとしての庭
- リビング・ダイニングからの庭
- 玄関の庭
- 和室からの庭
があり、生活の各シーンから庭を感じることが可能に。
全体の統一感をもたせつつも、各シーンによって違う雰囲気になるように庭を提案しています。
⑨ 高木の列植で厚みのある陰影をつくる
高台の緑豊かな閑静な住宅地に立地するRC造3階建ての住宅。
1階エントランス部分にオープンスペースがあり、
- ファサードの庭
- 玄関前のアプローチの庭
- ダイニングキッチンから水盤を眺められる主庭
- 小さなバスコート
という4つの庭をつくっています。
⑩ 細道空間を生かした緑のトンネル
主庭を兼ねたアプローチのある家。
住宅の玄関まで長く奥行のるアプローチを庭として楽しめるように、建築家が門から玄関までをデザインしています。
⑪ 下草を密植して瑞々しさを可視化する
琵琶湖を望む高台の住宅で、2階の突き出した部屋の開口から琵琶湖が一望できる。
- 池のある開放的な庭
- 和室から望む楓の庭
で構成されていて、池には建物の屋根の雨水が流れ込む。
楓の庭は斜面の形状を活用し、紅葉を主とした山野の景色をつくっています。
⑫ 五感をともなう空間体験を点在させる
息子夫婦のはなれを新築する際に行った庭のリノベーション。
敷地には大きなキンモクセイがあり、それを残すように建築が計画された。
キンモクセイからヒントを得て「香りを楽しむ庭」にし、常緑樹が多かった庭にも落葉樹を足して季節感を出しています。
⑬ キッチンガーデンには余白と高さをつくる
市街地の近郊にある二つの方形屋根をもつ住宅で、東西に長い角地の敷地に建つ。
料理の得意な庭主が将来料理店を開けるように設計。
- ファサードの庭
- ダイニング・キッチン・リビングに面した庭
があり、今は友人をもてなす場としてワイン会も行っています。
⑭ 居室になじむワッフル状のインナーガーデン
3世代・6人家族が暮らすRC造2階建の室内に庭をデザイン。
「大開口のトップライトから日光が降り注ぐ2階に庭をつくれないか」という依頼でできたインナーガーデンになっています。
⑮ 3坪の空間に設える茶事動線
1910年築の年季の入った京都の町家(木造2階建て)の改修。
3坪ほどの庭には、
- 景石・雪見灯篭・手水鉢
- キンモクセイ・サンゴジュ
があり、「既存のものを残す提案」と「残さない提案」を合わせて9案ほどを提出しています。
⑯ 花見屋敷をはめ込む滞留のデザイン
岐阜市の長良川沿いの住宅地に建つ二世帯住宅。
- 子世帯の前に広がる主庭
- 駐車場のあるファサードの庭
- 世帯をつなぐアプローチの庭
があり、親世代から残された既存の庭を上手く活かしアレンジしています。
⑰ 既存庭の引き算でつなぐ内外の抜け
広い敷地の中にある住宅の改修にあわせて行った庭のリノベーション。
住宅には表と裏の庭をつなぐ役割をもつ
- 通り土間
- テラス
があり、立派な木が生い茂った二つの庭を行き来するアプローチの計画を中心に行っています。
⑱ 地元の植生を引き継ぐという選択
季節の移ろいを楽しめる緑に囲まれた生活を希望する庭主が、こだわり抜いて手に入れた土地。
木造2階建ての住居からは、万博開催時に植えられ大きく育った豊かな緑地帯を望む。
植物が好きな庭主の依頼は「緑に埋もれた家」となっています。
⑲ 通りや家人の木を記憶を基点に修景する
4人家族が住む2階建ての木造住宅で、6m近いタイサンボクの既存樹を主役とした家。
このタイサンボクは建築家の計画により、位置を変えることなく、新たな家の顔としても人を迎える木に。
毎年初夏には大輪の花を咲かせ、庭主や道をゆく人々を楽しませています。
⑳ 異国情緒を愉しませるディティール
郊外の住宅地に建つRC造2階建て、ロの字型のコートハウス。
サーフィンを趣味に楽しむ庭主からは、南国を思わせる庭を求められた。
ファサードには
- 屋根付きの車庫2台分
- アプローチを兼ねた予備の駐車スペース1台分
があり、アプローチ脇にmの程よい植栽スペースがあります。
㉑ 住まいの履歴と風情を組み合わせる
2人暮らしのための京都の町家のリノベーションで、前庭と奥にある主庭の改修を行った。
子ども向けの理科実験を行う教室も備えていて、教室に通う子どもたちの自転車置き場などの動線も考慮しながら作庭した。
㉒ 公私のバッファーとなる緑
クリニックと住宅を併設した建築に、パブリックとプライベートの両方をあわせもつ庭を提案。
- 1階のクリニック部分
- 2階の住居部分
の2つの庭があり、住宅からの景色も意識した樹木を選定することで、一つの庭を様々なシーンから楽しむことができるように工夫した。
㉓ 木立に佇める通りの顔をつくる
雑木林に囲まれた庭をもつ3人家族が住む木造2階建。
ファサードの庭は“まち”を意識して、緑溢れる潤いの空間に。
中庭は、
- 水盤を置いて水音に耳を傾ける
- ウッドチップの足触りを愉しむ
など、五感で楽しめる仕掛けとした。
㉔ まちの森に育つ原っぱの庭
1970年代に開発された住宅地に建つ六角形の住宅。
「森のような景色をつくりたい」という設計者からの要望を受け、この地域の植生で樹木を選定。
5年・10年と年月が経ち、木が成長し森の木立に囲まれた家になることを想定して搾乳した。
【2部】作庭の進め方
① 敷地と建築を読む
庭の計画は、与条件との関係性を読み解くことからスタート。
“まち”に対して、
- ここで何ができるか
- 何をするべきか
を考えることに、計画のヒントやアイデアが必ず潜んでいるからだ。
視野を広げて庭を計画することで、ただ美しいだけでなく、土地や状況のポテンシャルを存分に引き出す庭をつくることができる。
② 木を選ぶ
庭の計画時に最も悩ましいのは、建築に合った樹種の選択。
日本の気候風土に合わない外来植物を庭主が希望される場合もあるが、育っていくことができなくては美しい景色はつくれない。
要望に応えられない時こそ、よりよい提案ができるように、多様な引き出しをもっておくことも大切。
「与えられた場所で何ができるか」を考え抜き、ふさわしい木を提案するのが、庭づくりの最大の仕事とも言えます。
③ 移ろう景色をつくる
日常生活のなかに森や山野の景色を取り込むことが、庭に求められる最大の役割。
限られた空間で引き算の作庭が必要な場合は、切り取った景色を強調することも多い。
鉄板やステンレスを用いて景色をもちあげたり、引き立たせたりしても効果的です。
④ 素材の選び方
大きな樹木の配置が決まったら、その周りを彩る低木や下草類も選択していく。
メインとなる樹木選定と異なるのは、組み合わせ次第で多様なバリエーションをつくれることです。
配植術はとにかく引き出しを増やすためにインプットが大切。
造園の専門書はもちろん、日常のまち並みにもたくさんのヒントが潜んでいます。
⑤ 事例で読む木の役割
実践の現場における作庭の手順を紹介します。
- 計画概要
- コンセプトと提案
- 土入れ+景石の据え付け
- 木を植える
など
「緑のデザイン」の感想とレビュー
「緑のデザイン」を読んで感じたことは次の3つです。
- 建築と外構の関係性が分かる
- 庭を見る視点が養われる
- 庭づくりの全体像が分かる
1 建築と外構の関係性が分かる
庭づくりを考えると、外構にだけ注目してしまい、建築と庭を別の空間として捉えがちになってしまうことがあります。
ただ、庭をつくるのは造園家だけではありません。
庭はたくさんの要素があるので、
- 建築設計者
- 庭主
との三者の協働があってはじめて、庭のある豊かな暮らしが形となることに。
つまり、「庭と建築の調和」を考えることで、さらに生き生きとした空間に生まれ変わらせることが可能になる訳です。
2 庭を見る視点が養われる
「緑のデザイン」では、豊富な写真と平面図で24の事例を詳しく紹介しています。
ただ、一つの言葉ですべての庭の構成要素や魅力を言いつくすことは不可能。
そこで本書では、5つの行為別アイコンでも庭の構成要素を整理。
- 眺める:室内や通りからの緑の景をつくる
- 歩く:散策体験を楽しむ
- 聴く:水盤に滴る水音などをデザインする
- 香る:四季を通じて季節の花や木々の香りを楽しむ
- 食べる:キッチンガーデン、ハーブや木の実など食卓を彩る草木を植える
5つの行為別アイコンで庭を見つめ直すこと、居室と庭の空間構成を様々な角度で知ることが可能になります。
3 造園デザインの全体像が分かる
本書では、実際に庭をつくるための手法や技術・材料・行程も紹介。
- 立地環境
- 最適な木と樹形の選び方
- 庭を美しくさせる効果的な仕様
- 高木や中木を引き立てる素材
など、計画から完成まで、実際に1つの庭ができるまでの工程が分かるようになっています。
庭づくりの全体像が掴めれば、「私ならこうしたい」という次のアイデアに繋がるきっかけになること間違いありません。