「初穂料って、どれくらいのお金を包むものなの…」
「やっぱり、新札を用意しないとダメなのかしら…」
地鎮祭で欠かせないお金の1つが「初穂料」。
ただ、「初穂料」のマナーを間違えてしまい、トラブルに巻き込まれることも…。
地鎮祭の「初穂料」について、あなたに伝えたいことは3つ。
POINT
- 初穂料の相場は2~5万円ほど、4万円を包むのはNG
- 「封筒」ではなく、「蝶結び」の付いたついた“のし袋”に入れるのがマナー
- 「玉串料」でもOKだか、葬儀にも使われるので避ける人が多い
建築会社が教えてくれない、「初穂料」のマナーについて迫っていくことにします。

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地鎮祭での「初穂料」と「玉串料」の違いとは

地鎮祭では、神様へのお供え物として「初穂料(玉串料)」が必要。
「初穂」と「玉串」の違いは次の通りです。
初穂とは、その年で初めて収穫された稲穂のこと。
「実りの秋」を祝うために、神様への感謝の気持ちを込めて初穂をお供えするのが習わし。
今でも、秋の収穫祭より前に「抜穂」の行事をする地域が多くあります。
玉串とは、「木綿(ゆう)」や「紙垂(しで)」を結んだ榊(さかき)の枝のこと。
祈願する人自身が「玉串」をお供えするので、神様の威光を受けることが可能です。
つまり、初穂料(玉串料)とは「今は初穂や玉串がないので、代わりにお金を神様へお供えします」という意味。
初穂料も玉串料も「神様への捧げもの」なので、地鎮祭ではどちらを使っても問題ありません。
「御神前」・「御供」・「御榊料」とされる方もいます。
ただ、「玉串料」は通夜や葬儀で使われることもあるので、地鎮祭では「初穂料」にする方が多くなっています。
「玉串料」は弔事に使われるイメージがあるので、「初穂料」とされる方がほとんどです。

地鎮祭の初穂料は「封筒」ではなく「のし袋」へ

初穂料は大切な「神様へ捧げもの」なので、封筒ではなく「のし袋」に入れるのがマナーです。
ちなみに、のし袋を選ぶ時は「中に入れる金額と祝儀袋の格を合わせる」がポイント。
印刷された水引は「1万円まで」なので、できれば避けてください。
初穂料の水引は「蝶結び」か「あわじ結び」が正解

水引の形は主に3つの種類がありますが、「蝶結び」と「あわじ結び」がおすすめです。
1 蝶結び(花結び)
「蝶結び」は、簡単に何度も結び直すことができる形。
「何度あってもうれしい」という意味があるので、「出産」や「進学」などに使うのがおすすめ。
お祝い事に広く使われる形なので、地鎮祭で使うのにピッタリの形です。
2 結び切り
「結び切り」は中央で固く結ばれ、ほどくのが難しい結び方。
- 一度きりで終わる
- 繰り返すことがない
という意味をもつので、「結婚式」や「快気祝い」に使うのがおすすめ。
地鎮祭などの儀式的な行事には合いません。
3 あわじ結び
「あわじ結び」は、「結び切り」の変形バージョン。
「末永くお付き合いしたい」という意味があるので、一度だけのお祝いごとに使うのがおすすめ。
関西地方の地鎮祭では、「あわじ結び」を使うことが多くなっています。
地鎮祭では、「あわじ結び」か「蝶結び」の水引が付いている“のし袋”を選ぶのがマナーです。
関連 【地鎮祭のし袋・のし紙ガイド】表の書き方や入れ方まで徹底解説

地鎮祭での初穂料の書き方

のし袋に書く時は「筆」を使うのが基本ですが、筆ペンでも問題ありません。
のし袋の表面には、
- 水引の上側:「初穂料」または「玉串料」
- 水引の下側:氏名(フルネームが基本)
を書くのが一般的。
名前を書く時は、初穂料(名目)より少し小さめにするのがポイントです。
「初穂料」と「御初穂料」はどっち
渡すお金のことを「初穂料」と言うので、表書きには「御初穂料」と書くのが正式。
ただ、最近では「初穂料」と書くことも増えていて、個人宅の地鎮祭なら「初穂料」で問題ありません。
連名にする場合は3人まで

連名にする場合は、年齢が一番上の人が右側に来るようにします。
最近では、連名全体を中央にバランスよく配置する書き方が主流に。
家族で連名にするなら、施主のみフルネームにし、家族の名前を左側に書くのが一般的です。
夫婦別性の場合など、フルネームで書くこともあります。
祝儀袋の大きさでは3人を書くのがやっとなので、4人以上の場合は「外家族一同(外一同)」としてまとめるとスッキリします。
「御初穂料」が正式。名前はバランスよく書くのがポイントです。
関連 【地鎮祭のし袋・のし紙ガイド】表の書き方や入れ方まで徹底解説

地鎮祭の初穂料の相場は35000円、ただし4万円はNG

初穂料は気持ちの問題なので、金額についての決まりはありません。
ただ、ご祝儀の相場は2万~5万円で、平均は3万5000円ほど。
- 神社で「お供え物」を用意してもらっている:5万円
- あなたが「お供え物」を準備している:3万円
というように考えてはどうでしょうか?
どうしても気になるなら、住宅メーカーの営業担当に金額を聞くのも1つの手です。
関連 【地鎮祭のお供え物セット】魚や乾物は?その後はどうするの?
4万円の初穂料は避ける
地鎮祭は神事なので、縁起の悪い数字「4(死)、6(無)、9(苦)」を使うのは避けるのが基本。
もし、4万円にするなら、
- 初穂料:3万円
- 神饌料(お供え物代):1万円
というように、2つに分けて渡すのも方法です。
お車代の封筒は別に用意する

神職が自分の車で来られる場合は、「お車代」を別に渡すのがマナー。
お車代の金額としては
- 地域の神社なら5000円
- 遠くから来られるなら1万円
が相場。
「お車代」は祝儀袋ではなく、「白封筒に包む」のが通例です。
神様にお供えする「初穂料」と、神主さんへの「お車代」は分けるのがマナーです。
関連 【地鎮祭の費用ガイド】工務店が支払う取得価額や仕訳は?

地鎮祭の初穂料は「新札」を使うのがマナー

地鎮祭などの神事では、「穢れ(けがれ)」がない新札を用意するのが基本。
- 新札:銀行で新しく発行した未使用のお札
- ピン札:使用済みだが、折り目のない綺麗なお札
祝儀に新札を使うのも「新しい門出をお祝いする」という意味があります。
新札を用意するには、銀行や郵便局の窓口で両替する必要があるので、前もって準備しておくことが大切。
新札がどうしても用意できなければ、汚れのない綺麗なピン札を用意してください。
神事やお祝い事は突発的な出来事ではないので、きちんと新札を用意するのがマナーです。

地鎮祭での初穂料の渡し方は「ふくさ(袱紗)」で

日本では古くから、贈答品を素手で直接渡すことは非礼。
個人宅で行われる地鎮祭は略式化されたモノですが、基本的には「袱紗(ふくさ)」に包んで渡すのがマナーです。
黒の「ふくさ」はマナー違反
袱紗(ふくさ)の色は「お祝い事」と「お悔やみ事」で違います。
紫・赤・朱・オレンジ・黄・ピンクなどの暖色系
紫・黒・緑・紺・藍・茶・グレーなどの寒色系
お祝い事とお悔やみ事の両方に使える「紫色」を1つ持っておくと、どんな時にも対応できるので安心です。
初穂料は何と言って渡すのが正解?
初穂料は祭壇に奉納するケースがほとんど。
神職が会場に到着した時に、

本日はよろしくお願いいたします。
こちらが初穂料になりますので、どうぞお供えくださいませ。
と言って渡すのがスマート。
初穂料は神様へのお供え物なので、「謝礼です」や「お礼です」は間違いです。
地域によって渡すタイミングは違うので、事前に神主さんに確認しておくことが大切です。
お車代を渡すタイミングは「地鎮祭後」
「お車代」は神職へのお礼。

本日はありがとうございました。
「お車代」を用意していますので、どうぞお受け取りください。
というように、地鎮祭が終わってからお礼の言葉と一緒に渡すのがマナーです。
POINT
「初穂料」や「お車代」を渡す時は、簡単なお礼を述べて渡すのがマナーです。
関連 【地鎮祭の流れガイド】当日の時間帯は?本当に必要なの?
【まとめ】地鎮祭では服装や流れにも注意が必要

地鎮祭の初穂料についてまとめます。
POINT
- 初穂料の相場は2~5万円ほど、4万円を包むのはNG
- 「封筒」ではなく、「蝶結び」の付いたついた“のし袋”に入れるのがマナー
- 「玉串料」でもOKだか、葬儀にも使われるので避ける人が多い
地鎮祭であっても、ご祝儀袋の基本的な書き方は他の神事と同じ。
ただし、地鎮祭では「挨拶」や「服装」のマナー間違いも多くなっているので注意してください。